2001年10月

今日は、ヴァイオリンの駒の高さを調整しました。駒の調整は、オーバーザッテル(ナット)の方から駒を見て、その楽器の駒をどれくらい削るのかを見るのですが、その判断が難しいです。
僕が駒の調整をする時は、まず僕が自分でこの辺りだと思ったところに印を付けて、それを親方にチェックしてもらいます。
このように、一つ一つの工程でチェックしてもらいながら、楽器の各箇所どの様な形に仕上げるべきかを教えてもらっています。

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今日は、弓の革の下に糸を巻く作業をしました。こうした作業をしていると、弓によって巻かれているものが違うのがあることが分かります。この部分によっても弓のバランスは変わってくるそうです。

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今日は、チェロの駒を削りました。チェロの指板はC線側が平面なので、弦高を見る時の感覚が少しつかみにくいです。
チェロは駒の角度を修正する時なども、ヴァイオリンとヴィオラとは少し勝手の違いを感じます。そのせいか、チェロを扱う時はヴァイオリンやヴィオラ以上に緊張します。

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今日は、弓の巻き線の巻き方を教わりました。巻き線にもいくつか種類があるのですが、今日は洋銀のものをやらせてもらいました。
巻き方は革の下に巻く糸とほとんど同じなのですが、巻き線の方が巻き始めと終わりをキチッと止めるのが難しかったです。 今日は、親方が現在製作中のヴィオラにフッターライステン(ライニング)を接着するのを手伝いました。
親方の楽器のこの部分には、親方の師匠であるJ.カントゥーシャ氏アイディアの「ドッペル・フッターライステン」という製作法が採用されています(詳しくは、親方のホームページの技術関係レポート、J.カントゥーシャ氏による、「ドッペル・フッターライステン」の考察 をご参照下さい)。今日は、その二重のフッターライステンの内側の一枚を曲げる作業をやらせてもらいました。
ドッペル・フッターライステンはカントゥーシャ氏のアイディアらしいのですが、親方も独自のアイディアをたくさん持っています。それは、親方の楽器製作の中に見られるのはもちろんのこと、弓の毛替えであったり、製作とは関係ない作業などあらゆるところで見ることができます。そのアイディアの一つ一つは、単なる思いつき的なものではなく、より良い仕事をする為にはどこをどうすればうまくいくかというように論理的に考えられたものです。ですから、それによって得られる効果などもはっきりとしています。
僕がいつも親方はすごいなと思うことは、そういったアイディアの一つ一つももちろんなのですが、それよりも、いつでも「もっとうまくやるには、何かいい方法はないか」というような思考が働いているところです。
僕自身も、そういう部分を強めていくのが今後の課題でもあります。

今日は、工房にある弓の毛替えをやらせてもらいました。
前回自分が使っている弓の毛替えをした時と同様に、作業全般としての手際はあまり良くありませんでした。でも、前回よりも1つ1つの工程で気を付けるべきことを意識しながらできたような気がします。
どの作業においてもですが、最低でも1回目より2回目、2回目より3回目と良くしいかなければなりません。

今日は、先日注文していたノミが来たというので、浅草まで取りに行ってきました。
僕は、平ノミを3本持っていたのですが、今回更に3本購入しました。ちなみに、この僕が使っているノミは、親方に薦めてもらった「清忠」というブランドの物です。
このノミだけでなく親方からは、道具についてのこともいろいろ教えてもらっています。
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左の3本が、今回購入した物です。↑
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↑写真では読みにくいですが「清忠」と入っています。

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↑3本増えただけですが・・・。
先日平ノミについて書きましたので、写真の左の方にならんでいるノミについてもここでふれておきたいと思います。
こちらのノミは、ドイツから取り寄せた物です。元々は細長い柄がついている物なのですが、伝統的なヴァイオリンノミの柄に付け替えて使っています。
この柄もドイツから取り寄せたのですが、それを右の写真のようにノミに合うように加工してから取り付けました。