2001年7月

工房の引っ越しが、だいたい終わりました。まだ、細かい物を前の工房から持ってきたり、荷物の整理などが残っているものの、作業ができるようにまでなりました。
今日は、普段使う道具を、壁に立てかけた板に掛けました(仮店舗なので、直接壁には掛けられません)。これで随分工房らしくなってきました。
ちなみに、右の写真で壁に掛かっているノミは親方の物です。でも、近いうちに僕のノミも掛けられるようにする予定です。
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今日の午前中は、ヴァイオリンのテールピースの裏彫りをしました。テールピースの裏彫りは、今までにもヴァイオリンからチェロの物まで何本かやってきました。けれども、毎回削る時には、前回もっとこうすれば良かったということを意識してやらないと、すぐに自分の削り方の癖的なものが出てしまったりします。ですので、少なくとも前にやった物で課題になったことすべてを意識してやる必要があります。
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↑親方が写真を撮ってくれました。
午後は、弓の毛替えの下準備や、前の工房の片付けなどをしていたら終わりの時間になってしまいました。親方もよく言うことですが、時間はあっという間に過ぎてしまいます。

今日は、弓の毛替えに使う毛の選別をやらせてもらいました。この作業は、バランスの良い毛替えをする為にとても大切なものです。ねじれた毛や、明らかに太さの違う毛を取り除き毛の質をそろえます。
この作業の時には、できるだけ毛の束の端は、そろえたままやらなくてはいけないのですが、毛を選ぶのにばかりに気がいっていたり、毛の抜き取り方が悪かったりすると、すぐにばらけてきてしまいます。

今日は、自分のノミを壁に掛けました。こうした作業の中では、機械を使うことがあります。その時一番に考えなくてはいけないことは、安全に気を配り使うということです。これからヴァイオリン製作をやっていくうえで、それがとても重要なことであるということは、親方からいつも言われることです。このことは、これからどんなに経験を積んだとしても忘れてはいけないことなのだと思います。
My-nonikake