2001年11月

11月2・3・4日は、弦楽器フェアがありました。僕は、その前日からお手伝いをしてきました。
フェアでは、自分と同世代でヴァイオリン製作を勉強している人達(皆さん先輩ですが)とも知り合うことができました。普段工房では1人で作業をしている僕にとって、この4日間は何かと新鮮なことばかりでした。 

今日は、毛替えの時などに弓のフロッシュを乗せ固定する為の台を作りました。 
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↑製材した楓材とフェルナンブコを接着。
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接着後形を出したところ。写真の左にあるのが、親方が普段使っている物です。このように上面を弓と同じように加工します。↑

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以前から考えていたヴァイオリンのレッスンをそろそろ始めることになりました。それにあたって、自分のヴァイオリンを使えるようにすることになりました。
僕のバイオリンはかなり手を加えなくてはならないようで、まずボディーを開けました。このような事をする場合、その楽器が修理されることまで考えて作られているかどうかが、楽器の痛み方に大きく影響するそうです。

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表板の厚みを修正(中心部が厚すぎたのを削りました)して、バスバーも作り直しました。
実際バスバーを付ける作業をしてその仕組みにあらためて感心させられました。バスバーによってどの位の力がどの様に表板にかかるか、また、その為にはどの様な構造をしていなければならないのかなど親方に教えてもらいました。
今日は、この表板をボディーに接着して終わりました。

今日は、自分のヴァイオリンの調整の続きをしました。
表板の着いたボディーにウンターザッテルを接着し、それから、魂柱を立てる作業をしました。初めてこの作業をやらせてもらったのですが、魂柱を削ってはそれを立ててみて、又削ってという風に自分なりにいろいろ試しつつ合わせていきました。それでもどれくらいのきつさに立てたらいいのかがよく分かりませんでした。
魂柱立ての最終的なところは親方にやってもらい、音を出してみました。調整後は、ボディーがちゃんと鳴っているような音になっていました。この音の変わり様には驚きました。

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僕のヴァイオリンは、指板(ネック)の幅が広すぎるらしく、そこも修正することになりました。
まず、指板を剥がし幅を出し直しました。それから指板の裏を加工しました。下の写真が削り終えた指板です。このような加工をすることで 指板の強度を落とさずに軽くすることができるそうです。
テールピースの裏彫り同様、なかなか見えなにくい所ですが手間のかかる作業です。
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今日は、昨日加工した指板を接着しました。楽器と合わせてみると指板が随分とスリムになったのが分かりました。

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指板の幅を狭めたので、それに合わせてネックを削りました。僕のヴァイオリンはもともとネックが厚めだったので、実際には幅だけではなく厚みも少しおとしました。
ネックの厚みとしてはもう少し薄いのが理想的らしいのですが、僕のヴァイオリンのネック材は、木の取り方など決して良い物ではない(強度的に少し弱い)ので最終的な厚みも少し厚めの仕上げになりました。