2002年1月
形をだしてから更にヤスリなどで形を整えたものの、しばらくそのままになっていた魂柱立てを曲げました。
曲げの作業は、親方と2人がかりでガスバーナーを使って鉄を熱して、僕がそれを台(?)にあて、親方が叩くというふうにして行いました。そして最後に、形のできた物を、また赤くなるまで熱して焼きを入れました。
写真の手前の2本は親方の使っている魂柱立てで、奥の2本が今回曲げた物です。今作っている魂柱立ては、ちょうど手前の2本を掛け合わせたような形にしてあります。ちなみに、1番手前の物は、真鍮製のです。真鍮で作るのと、鉄で作るのとでは重さが違ってくるので、魂柱を叩く時などで力加減も変わってくるそうです。
今日は、親方が新しく購入した丸ノコ盤を乗せる台を作るのを手伝いました。
台には引き出しを付けているのですが、これがなかなか難しく、寸法の誤差が現れやすかったです。
こうした一見ヴァイオリンとは関係ないような物を作ることの中からも、基本的な工作技術をたくさん学ぶことができます。
今日は、ヴァイオリンの調整を手伝い、新しい駒を削らせてもらいました。
新しい駒は、まず足を楽器に合わせて削るのですが、今回はそこからやらせてもらいました。
最終的な足の合わせは親方に見てもらいました。
それを楽器に合わせて高さを削り、弦の溝をきりました。
最近は、こういう調整も親方にチェックしてもらいながら少しずつやらせてもらっています。
今日は、ペグの長さを調整して、その部分に丸みをつける加工をやらせてもらいました。
この部分を右の写真のように丸みを帯びたものにするのは、完全に美観的な役割らしいのですが、こうすることでペグがくい込んでいってペグ穴から飛び出してきた時に、その出方が緩和されて見える効果がある為だそうです。
確かに、ここが平らに近い物と比べると、同じだけ(先端が)出てきても、その見え方は随分違った物になります。
今日は、この間曲げた魂柱立ての最終的な仕上げをしました。
ヤスリなどを使って形を整えた物(上2つの写真)に油を塗って、それをバーナーであぶり、ちょっとした表面処理をしました。
これをやることで、表面に黒い酸化皮膜ができ、鉄がサビにくくなります。