コントラバス横板陥没修理

2015年06月18日(木)

 

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「オラオラ、休んでないで、もう一本ダッシュ!!」

 

ってういか、連続でもう一本、合板横板陥没割れ修理ですね(コントラバスで最もぶつけやすい箇所の一つですので、移動の際にはご注意下さい)。

 

今回の楽器は開いてしまった穴も大きく、前回紹介しました修理より、ちょっと難易度上がっております。心してかかるべきであります。

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例によって、そう。だんだん見慣れてきてしまったでしょうか。略して「鼻から」とかポップに呼ばれる日が来るのでしょうか・・・(勿論、そんな日は来なくていいです)。

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通したワイヤーにはこのようなフックになるものを取り付けて、陥没部の引き出しに臨みます。

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今回は損傷面積も大きいので、二度に分けて内側に陥没してしまった合板ラミネート材を引き出していきます。まず左半分。

 

全体を一気に引き上げて接着をしてしまうケースと勝手が違うなと感じたのは、片側半分にまだ穴が開いていますので、引き上げる力自体も持ち上げたい部分全体にうまく掛かっていかないということです。

 

その対処として一箇所力の支点のように機能するところを治具の裏面に作ってあげようと、ゴムのラバーをはさんで締めてみたのですが、うまく全体が引き上がってくれました(やり直しのききにくい修理は特に、接着前の圧着テストが大事だと思っています)。

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そして、残り半分の引き上げ作業。

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今回の楽器の横板は、大まかに三層構造の合板材だったのですが、二層目にすでに大きく失われてしまった箇所がありましたので、そこでも一度パズル的な補修をやっております。写真は第三層目の化粧板を合わせているところです。

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ここまでくると少しほっとします。今日から2本のコントラバスのリタッチを同時進行してまいります。