コントラバス魂柱割れ修理

2015年08月11日(火)

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表板側に倒してしまったと思われるコントラバス。その衝撃で裏板(合板)を魂柱が突き抜けてしまっていました。さすがに、今回は裏板をオープンしての修理になります。

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楽器の隆起の左右対称性を利用して、魂柱で穴の開いた側とは反対のエリアをモデリングコンパウンド(石膏とはまた別の、型どりのための素材)で型をとり、破損した裏板の隆起を戻していきます。

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今回のコントラバスの裏板は合板材でして、しかも随分古い楽器でしたので板のラミネート構造が老朽化の果てに楽器輪郭周辺がめくれてきていました。

 

裏板一回り、ニカワで補修できましたので、楽器の裏板として多少必要となる硬度もかなり回復しました。

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ちなみに、オープン作業中に楽器の横板の変形を最小限に抑えるために、外した裏板の代わりに骨組み状の押さえ棒を楽器に取り付けておきます。

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今回裏板を外したことにより、バスーバーがはがれているのを発見してしまいました。こうした修理の機会に直させていただきます。

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ただ、今回の修理では表板まで外す訳にもいかないので、前々から作らなくてはと考えていた(長く保留にしていた)、横板がついている状態でも表板や裏板の修理ができるクランプを(勢いにまかせて)製作することにしました。

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一応、今後のためにもコントラバスのセンターまでリーチできるデザインにしてみました。

 

イームズさんが、同じデザインをたくさん並べた時に感じられる美しさというものがあると言っているらしいのですが・・・僕の場合、質感がIKEA になってしまいました。

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でも、完成と同時に実戦で活躍していただきましたので、実用性のデザインの方はまずまずということにしておきましょう。

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割れの修理の後、裏・表板ともに魂柱パッチを施しました。この接着にもモデリングコンパウンドの型(石膏型より簡易的な方法)を用いました。

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裏板の隆起の連続面も回復できたのでよかった。

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取り外していた裏板を楽器に接着し直しなおしましたので、ニスのリタッチを進めて修理を仕上げてまいります。