2003年4月

oyakata-va-shiban
今日は親方が製作中のヴィオラにつける指板の裏彫りをしました。
いくつかの楽器の指板裏を見てみると、この部分には大きく分けて2種類あることが分かります。1つは、かたち的に未加工のものに似たタイプ(ここでは仮にU字型とします)、もう1つは親方が採用している様なタイプ(こちらは仮にW字型)です。
W型はミッテンヴァルト系楽器に多くみられるそうです(だからと言って、この部分だけで安易に楽器の製作地を考えるべきではありません。気になった方も「ミッテンヴァルト系の教育を受けた人の手が入ってる可能性もあるのかな?」程度に思って下さい。)。こちらのタイプは指板平面部と加工部の間に強度的中間部を持たせる為に、指板中心部に背骨のような部分を残します。
もちろんU字・W字どちらが凄いという事ではなく、タイプによって構造上の理論の違いが少しあるということです。
あらゆる部分でキッチリと作られている楽器はU字・W字に関わらず、このような部分にも適切な加工が施してあるものだそうです。

今日はチェロの駒削り、魂柱の立て直し、オーバーザッテルの溝調整、それから、チェロ弓の毛替えの下準備、親方の新作ヴィオラのランド(エッジ)の幅だしを少しやりました。

oyakata-va-karihako
今日は親方の新作ヴィオラのランドの幅だしの続きをしました。
新しくやる作業では少なからずそうなのですが、その作業内での「動き」としてのイメージが無いと、なかなか思うように作業を進めていけないことが多いです。
それは道具の持ち方・向きであったり、体勢だったり、削れていく量だったり、その音であったりと様々ですが、親方が一削り二削りやって見せてくれる時はとても参考になります。
もちろん、そのイメージさえ有れば体がそう動かせるというほど甘くはないのですが(実際多くの場合は、本当に真似しようとしてるのか疑わしいほどの動きしかできていないと思います)、技術的なことを勉強するときには少なからず助けになるものだと思ています。
ですから、僕はヴァイオリンのレッスンでも似たようなことを意識することが多いです。先生の出す音とそれに対応した弓の圧力のイメージなど(もちろん、これも真似はできないのですが)、間近で見ることで感じ取れるものは多いです。それらをもとに、ものまね的アプローチ(完全に同じ動きができれば、同じ結果が得られる的思考)でやっていると、コツみたいなものが見えてくることがあります。
親方は「見て覚えろ」などとは言いません(効率よく何でも教えてくれます)が、このように見て得られる情報も、僕にとってはとても大きなものです。そういった意味でも、親方の工房で作業させてもらえる環境は本当にありがたいものです。

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今日はヴァイオリンのペグ穴を埋める作業をしました。
昨日ツゲの埋め材を接着してルータで粗削りをしておいたものを仕上げました。加工が終わり、ニスも塗り始めました。

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今日はヴァイオリンの修理部のニスの色あわせ、駒の高さ調整、それから親方の新作ヴィオラのランドの幅だしの続きなどをしました。
修理などでニスを塗る場合、他の作業と並行して1日に1・2回少しずつ色を足して楽器の色に合わせていきます。